わたくしが映画を見始めた1950年代では、ほとんどの作品が90分で完結していました。さきほど挙げたシーゲルの『殺○屋ネルソン』はまさしく標準的で上映時間は85分。これ以上長くても短くても、作品が異なるものになってしまうというぎりぎりの上映時間でした。
他方、フライシャーの『その女を殺せ』は、まさにB級作品にふさわしく71分で呆気なく終わる。この呆気なさがたまらないのです。アルドリッチの『キッスで殺せ』は比較的長いものですが、それでも106分でぴたりと終わっています。
この簡潔さを、タランティーノの『デス・プルーフ in グラインドハウス』の弛緩ぶりと較べてみて下さい。これはタランティーノの作品としては比較的短いものでありながら、やはりかったるく思えてなりませんでした。実際、現代においても、まともな映画作家のほとんどは、90分〜100分で充分に語りきれる物語を撮っているはずなのです。ゴダールを見てごらんなさい。彼はほとんどの作品を90分で撮りきってみせています。
しかし、最近のハリウッドの映画は、ほとんど150分ほどのものばかりです。そんなとき、デヴィッド・ロウリーDavid Loweryは、その『さらば愛しきアウトロー』( The Oldman & the Gun, 2018)を93分でぴたりと語り終えてみせる。さすが、と思います。
いうまでもなく、その上映時間の途方もない長さが正当化される作品もないではありません。たとえば、ジャン・ユスターシュJean Eustacheの『ママと娼婦』(La Maman et la Putain, 1973)の上映時間220分を長すぎるとはまったく感じませんし、テオ・アンゲロプロスTheo Angelopoulosの『旅芸人の記録』(O Thia○sos, 1975)の上映時間230分も長すぎると感じることもありません。また、コッポラの『地獄の黙示録』(Apocalypse Now, 1979) の特別完全版(2000)の上映時間203分も、決して長いとは感じません。ところが、さっきもいったように、タランティーノの『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』の上映時間161分は無駄に長く感じられてしまう。時間的に弛緩しているという印象を免れがたいからです。
そのことをだれも指摘しないので、彼は増長してそれでよいと思っているのでしょうが、それは大きな問題だと思います。ですから、新人監督たちにとどまらず、タランティーノに対しても、たとえばアイダ・ルピノIda Lupinoの上映時間71分の『ヒッチ・ハイカー』(The Hitch-Hiker, 1953)を見てから映画を撮れといいたくなってしまいます。少なくとも、大学の映画学科などでは、上映時間に対するより真摯な意識を教えねばなりません。
蓮實重彦
はすみ・しげひこ 1936(昭和11)年東京生れ。東京大学文学部仏文学科卒業。1985年、映画雑誌「リュミエール」の創刊編集長、1997(平成9)年から2001年まで第26代東京大学総長を務める。文芸批評、映画批評から小説まで執筆活動は多岐にわたる。1977年『反=日本語論』で読売文学賞、1989年『凡庸な芸術家の肖像 マクシム・デュ・カン論』で芸術選奨文部大臣賞、1983年『監督 小津安二郎』(仏訳)で映画書翻訳最高賞、2016年『伯爵夫人』で三島由紀夫賞をそれぞれ受賞。1999年、芸術文化コマンドゥール勲章受章。
まさにこの評論みたいにな
>>5
>>6
イッチの欲しいレスを馬鹿みたいに思考停止ですんなよ
家来か
イッチイライラで草
9:5ch名無し民2021/11/20(土) 16:05:03.45ID:F2KqkTE+dHAPPY
なんJとかレビューサイトにもテンポ厨よくいるわ
フォード論いつでるん?
二時間過ぎるとおしっこ行きたくなっちゃうからね、しょうがないね
映画監督目指す若者って少なくなってそう
パルプフィクション無駄なところ無いやん
ワンスアポンアタイムインアメリカよりはマシな長さ
17:5ch名無し民2021/11/20(土) 16:06:36.72ID:q2Bl/BK+aHAPPY
だらだらしとるんをだらだら観るんがタランティーノやろ
ボケちゃうんかこのじじい
ポンポさんかな?
ようしらんがどうせ低学歴の映画マニアがえらそうに語ってるだけやろ
ワシには分かりません の1行で済むやん
蓮實先生はスコセッシがお嫌い
スコセッシに欠けているのは、まさしくショットの生々しさにほかならず、彼の画面は決まってそれに続く画面への触媒のようなものでしかない。にもかかわらず、1970年代のアメリカ映画というと、コッポラ、スピルバーグ、スコセッシに代表されてしまいます。
わたくしは、すでに述べたように、その三人の中では、コッポラに強い親しみを覚えています。スコセッシと異なり、彼は自分自身より映画の方を遥かに信頼しており、それ故に、映画によって救われることがあるからです。映画を信頼するとは、同時に、映画には何ができないかに自覚的だということにほかなりません。スコセッシは、間違いなく映画より自分の方を信頼している。だから、映画で何でもできると確信している彼の撮った作品には、映画によって救われることがまずありません。したがって、ごく普通の場面が撮れない。あらゆるショット――構図、被写体との距離、アングル、その動き――が彼自身のやや粗雑な感性によって構成されているので、自分でも意識することなく撮れてしまったというみごとなショットが、彼の映画ではまったく不在なのです。
デスプルーフ長く感じるか?
26:5ch名無し民2021/11/20(土) 16:08:11.20ID:C9WRYYyn0HAPPY
レザボアが1番好きやわ
>>26
100分で終わるしな
タランティーノの映画に出てくる男は真似したくなるんだよ 北野映画もそうだな
人に薦めたことは一度もないわ
ノーランもそうだけど2時間前後に収められないならドラマでもやっとけとは思う
興味本位で7時間半の映画観たことあるけどいつ終わるのかという問いを通り越して地獄に落ちたみたいだったな
グラインドハウスてタランティーノやっけ?
青山真治のユリイカとか4時間あるやろ
地上波でノーカットで流してCMコミで9時から11時に終わるのがいちばんええやろ
この文章書いたハスミンは90分くらいがベストって言ってたな
84:5ch名無し民2021/11/20(土) 16:17:33.62ID:clSns/390HAPPY
ホドロフスキーのDUNEなら20時間でも見てみたい
爺だから上演時間長いとトイレ我慢できないんだろ
まあでも実際、150分くらいあるエンタメ映画が増えた気はする
パルプフィクションパルプ音楽の選曲がええよな
たしかにワンハリは悪い意味で長ったらしい映画やったな
もったいぶった構成の割にヘイトフルエイトみたいなカタルシスもないし
ブレッソンはスリ以降ほぼ90分前後やな
135:5ch名無し民2021/11/20(土) 16:28:50.61ID:eEnEPZgx0HAPPY
こいつの映画って汚いグロとダラダラした時間を楽しむやつないのか
まあ実際上映時間は2時間以内ぐらいが丁度いいわ
正直だらだら2時間半とかやってる映画はまとめる努力をしてないだけやろ
ワンスアポンタイムインアメリカは4時間だけどな
ワンアポはながすぎて3回に分けてみたわ
デス・プルーフは本国劇場公開版の二本立てはテンポええんよな
お前の文章も削れるやろ
映画のタイトル書き起こして文字数稼いでアホか
152:5ch名無し民2021/11/20(土) 16:34:16.58ID:gkNxn40C0HAPPY
映画館経営者が嫌がるのはまあわかる
娯楽に高尚さを求めようとするほど馬鹿なことはない
ワンスアポンアタイムインハリウッドかいうディカプリオが何もしない映画www
ワイのマッマ映画好きやったけどよう2本立てとかで見てたとかいうてたな
4時間5時間映画館にいるのすごいわ
スペクタクルでもないし大した盛り上がりにも欠けるテレンスマリックのシンレッドラインも普通に面白かったし長さじゃねーのよな
カンヌもオスカーも信じてなさそう
ドッグフード缶顔面に叩きつけるカタルシスがあるから…