「……………………」
僕は自分の家の玄関で、不良もかくやという睨み合いを演じていた。
相手は同い年の女子。それ以上でもそれ以下でもない――と言いたいところだったが、実際にはそれ以上でもあるし、あったと表現せざるを得ない。
「…………どこに行くの、水斗みずとくん」
「…………そっちこそ、どこに行くんだ、結女ゆめさん」
女が言い、僕が言い、そして黙り込む。
これで3回目だった。
実のところ、訊くまでもなく、この女の行き先はわかっている。駅前にある大型書店だ。今日は推理小説を中心に刊行する某レーベルの発売日なのだ。僕もそのレーベルの新刊に用があり、この女もまた同じ目的を持つ。
そんなの、まるで同じ本の趣味を持つカップルじゃないか。
そう思われることだけは、お互い、絶対に避けたいことだった。
つまるところ、僕たちは膠着状態にあった。
出掛けるタイミングをずらさなければならないが、果たしてどちらが先に玄関を出るか――それを決めるべく、牽制を応酬している段階なのである。
話し合って決めればいいって?
嫌だね。この女との話し合いで解決することなんて何一つ存在しない。
10: 京太◆LNu6bZ7ZATaG:20/08/21(金)13:17:28 ID:vO8主 ×
Sですか?キモイですね
「――あれー? 結女に、水斗くんも。そんなところで何してるのー?」
スーツを着た由仁ゆにさんが、リビングのほうからやってきた。
由仁さんは、ほんの1週間ほど前に僕の母親となった人だ。
すなわち、僕の父親の再婚相手であり――目の前のこの女の、実の母親である。
「二人とも、出掛けるんじゃなかったの?」
「これから出掛けるところです」
それじゃ、と質問を利用してスムーズに先行を試みた僕だったが、その前に由仁さんが言った。
「あ、もしかして駅前の本屋さん? 水斗くんも本好きだって聞いてたから~! なら、きっと結女と同じ行き先よね? この子、出掛けると言ったら本屋さんか図書館くらいだから」
「……ええっと」
「ちょっと、お母さん……」
「あっ! もしかして一緒に行くところだったのかしら! 嬉しいわ、水斗くん! 結女と仲良くしてくれているのね! これからもよろしく頼むわ。この子、人見知りなところがあるから」
「……は、はい……」
隣から射殺さんばかりの視線を感じる。
「それじゃあ、わたし、これから仕事なの。いってらっしゃい、二人とも! きょうだい仲良くね!」
そう言い残して、由仁さんは玄関扉の向こうに消えた。
あとには、僕と彼女だけが――きょうだいだけが、残される。
そう。僕たちはきょうだいだ。
ただし、義理の。
再婚した親の、連れ子同士――
「……なんで頷いたりしたの」
「……仕方ないだろ。あの流れだったら」
「どうして私が、あなたなんかによろしくされないといけないわけ?」
「知るか。僕だって君なんかよろしくしたくない」
「そういう受動的なところが嫌いだったのよ、クソオタク」
「そういう自分勝手なところが嫌いだったんだよ、クソマニア」
でも、僕たちの親は知らない。
僕と彼女だけが、僕たちの本当の関係を知っている。
僕こと、伊理戸いりど水斗と――
彼女こと、伊理戸いりど結女は――
――ほんの2週間前まで、彼氏彼女の関係だったということを。
初めて出会ったと言えるのは、そう、夏休みに入って間もない7月の末、昼下がりの図書室でのことだ――彼女は踏み台の上でうんと背伸びをして、本棚の一番上の段に手を伸ばしていた。
あまりにベタなシチュエーションなので、ここまで言ってしまえばもうおわかりのことと思うけれど、僕は、彼女が取ろうとしていた本を、代わりに取ってあげたのだ。
もし時間を遡れるのなら、過去の僕にこう言いたい。そんな女は放っておけ、と。
しかし未来のことなど与り知らぬ当時の僕は、取ってあげた本の表紙を見て、愚かにも彼女にこう話しかけた。
――推理小説、君も好きなの?
僕は特にミステリマニアというわけではないけれど、自他ともに認める乱読派ではある――純文学も、恋愛小説も、ライトノベルも、小説ならば何の区別もなく読むのである。だからそのとき手に取った古典推理小説のタイトルだって、当然知っていた。
知っていただけで、好みではなかったけど。
ともあれ、読書家の性というやつで、自分が読んだことのある本を他人が手に取ろうとしているのを見ると、自動的に嬉しくなってしまうのだ。これは牛が赤いものを見ると興奮するのと同じような、制御不可能な習性なので、たぶん神様がトラップを仕掛けたのだと思う。
すなわち運命だった。
運命によって出会った僕らは、導かれるままに意気投合し、他に誰も来ない夏休みの図書室で逢瀬を重ねた。そして夏休みが終わる8月の末に、僕は彼女から愛の告白を受けた。
こうして。
僕に、人生で初めて、彼女なんてものができてしまったのである。
その名前は、綾井結女あやいゆめ。
このときはまだ、そういう名前だった。
さて。
言うまでもなく、これは崩壊の序章である。
というか、中学生の愛の告白が崩壊の序章でない確率なんて、たぶん5パーセントを下回るだろう――中学生カップルがそのまま一生添い遂げるなんてこと、現実的に考えれば、そうそうあるわけがない。
なのに、当時の僕たちは、あるわけがあると思っていたのだ。
お互い、学校では目立たないほうのタイプだったのもあって、僕と綾井の交際は静かに営まれた。他人の前では一切そういう素振りは見せず、図書室の隅っこや、休日の図書館、あるいはカフェ併設の書店などで、趣味の会話に花を咲かせた。
当然、恋人らしいこともした。
綾井は教室では誰とも喋らないような、よく言えば大人しい、悪く言えば暗い感じの、要するに人見知りだったから、そのスピードは遅々としたものだったけれど、デートに行き、手を繋ぎ、下手っくそなキスをして――
という、取り立てて特筆すべきところのない、そこら辺にいるカップルのようなイベントを、順番にこなしていった。
13: 名無しさん@おーぷん:20/08/21(金)13:18:47 ID:0dQ ×
いや、まぁ普通ですかね
その画像に対して、今の僕から言えることは一つだ。
──ハチナイって知っとるか?
NGだらけで何も見えない
(´・ω・`)「ハチナイ、ハチナイだよ!」
彡(゚)(゚)「ハチナイ?なんかタイトルは面白そうやな」
(´・ω・`)「そう、ハチナイこと八月のシンデレラナインはスゴいんだ」
彡(゚)(゚)「スゴいねぇ…どーせありきたりなポチポチゲームやろ 野球愛を感じな…」
(´・ω・`)「それではこちらを、ご覧ください」
https://youtu.be/6VKylpzivAQ
彡(゚)(゚)「ファッ!?なんやこれは…選手と向き合うことでその真価を発揮させるストーリー性に、美麗イラストで可愛い子も拝めて、シンプルなゲームシステムでありながらきちんと本格野球を楽しめる…?」
(´・ω・`)「そう、ハチナイはただのポチポチゲームじゃない…青春×女子高生×高校野球を暑く熱く描いた最高のソシャゲなんだよ!」
彡(^)(^)「なんやてー!!」
(´・ω・`)「しかももう、既に180000人が事前登録してるみたい!してないほうがおかしいねw」
彡(゚)(゚)「でもこんな力作やと開発も大変ちゃうんやろか、ちゃんとリリースされるか心配やわ」
(´・ω・`)「そうだね、だからこそ幾度も開発は危機を迎えたんだ、でもその危機を乗り越えついに今年6月末に配信が決定したんだよ」
彡(^)(^)「ワオ! こりゃ事前登録しなきゃやきう民失格やな!!」
(´^ω^`)「うん!事前登録こそがハチナイスタッフさんの頑張りの源だよお兄ちゃん!」
彡(^)(^)(´^ω^`)「さぁみんなも乗り遅れないで!ハチナイ で検索ゥー!」
18: 名無しさん@おーぷん:20/08/21(金)13:19:23 ID:in7 ×
何がしたいのか分からん
https://kakuyomu.jp/works/1177354054883783581/episodes/1177354054883783640
誰のことですか?
他人の小説ここにコピペして何がやりたいん?
マ?
イッチコピペしてきたの?
これ犯罪やぞ
小6ですけど?何か?
てめぇふざけんなよこっちがわざわざお前らみたいなゴミに敬語使ってやってるだけでありがたく思えカス
31: 名無しさん@おーぷん:20/08/21(金)13:24:34 ID:K2D ×
著作権って知っとる?
カクヨムには閲覧数に応じて広告料でもうけた何割かを作者に還元するシステムがあったはずや
それをここに転載したということはイッチはその利益を損害したことになる。
しかも勝手に文章を改変してる時点で著作人格権に違反するんやで
ワイが聞いてるのはイッチが何をやりたいのか
であって
イッチの年齢については何も聞いてないで
で?覚悟の準備をして、慰謝料の準備もしておいてて、刑務所にぶち込まれる楽しみにしてる私を馬鹿にしないでください。
は?何がいいたいんですか?
馬鹿にする要素しかないわ
イッチがこんな所に他人の文章をコピペして一体何がやりたいのか を知りたいんや
36: 優子◆LNu6bZ7ZATaG:20/08/21(金)13:26:55 ID:vO8主 ×
黒歴史だからなに?京太さんのSS汚しにきたの?だったらすぐこのSSから出ていけ
京太さんに対して暴言とか、やめろ
いや、ワイは黒歴史だなんて一言も言ってないで
ただ聞いてるだけ
関係ないじゃん
ワイは聞いてるだけやからな
関係なくとも答えてくれればそれでええねん
貴方達になにが分かるんですか?
30: 名無しさん@おーぷん:20/08/21(金)13:24:19 ID:lU5 ×
スッゲー読みにくいもん
これ転載なんやで…
京太さんの事馬鹿にするのやめて
優子、ありがとう
多重人格みたいな設定のコテなん?
49: 京太◆LNu6bZ7ZATaG:20/08/21(金)13:30:12 ID:vO8主 ×
は?多重人格じゃねーし
PC使い回しでやってる設定?
一応言っておく、俺は、コイツの3DSでコメうってんだ勘違いしてんのはテメーだよ馬鹿が
なんで優子が「俺」なの?
キャラ設定崩壊してない?
違う!自演なんかじゃない!
だからいっただろコイツの3DSでコメうってるって
55: 名無しさん@おーぷん:20/08/21(金)13:32:18 ID:0nk ×
お前さっき優子だっただろ
いや、まって、俺の3DS準備できてないから、あと、2分待って
小6がまじなら大人になるまでネットしないほうがいいぞ
ありがとう
は!?何かいてんだよお前!
ほな